建築学は、私たちが最も身近な環境としての建物を対象としている学問であり、技術的な側面に限らず、社会的・文化的側面にも広がる領域を含んでいます。そこで本学科では、「災害に耐える建物の構造体としてのありかた」「都市や建物で快適に過ごすための環境」「建物が住む人に与える身体的・心理的問題」など、建築の専門知識はもちろん、人間心理や自然現象といった理系、文系分野の知識をバランスよく身につけることができるカリキュラムを用意し、これからの時代が求める、自然環境と共生し、豊かな生活を営むことができる空間をつくりあげる能力を育てます。
学びのスタイル
理工学研究科 環境都市工学専攻
修士課程前期課程 2024年3月修了
宗安 勇輝
研究テーマ
都市環境において近・中景を「景」化する建築的「フレーミング」の設計手法の研究
私たちは1日の大半を部屋という囲まれた空間で過ごし、自宅や職場の窓から都市の風景を眺めています。そうした、窓から見える都市の風景について考察するのが私の研究です。どのような景色が窓から見えると人は心地良く感じるのか、その心地良さとはどのような要素が要因となっているかなど、1つの景色に対して多角的に分析します。この研究を進めることで、都市における効果的な窓の設計が可能となります。例えば、地方に行けば窓から見える風景は遮るものがなく、無条件に開放感を得られることも珍しくありません。一方、都市の場合、窓の位置やサイズが限定的になり、窓から見る景色が無機質なものになりがちです。そんな時、風景の構造、風景を効果的に切り取る窓の設計手法を考えることで、限られた場所でも、より快適さを感じられるようになると考えています。
この学科を選んだ理由
建築の世界に興味をもったのは、高校時代、通学路で頻繁に住宅の建設工事が行われており、日に日に家が完成していく様子を目にしたことがきっかけです。環境都市工学部の建築学科なら、1年次から建築に関する専門的な知識が身に付けられると知り、進学を決めました。
将来の目標
卒業後は展示会場などの空間を設計する仕事に就きます。大学で学んだ景観に関する知識を生かしながら、来場者の方々の印象に残るような素敵な空間を設計したいです。
自分の得意なことや関心事を切り口にし、意欲的に研究を進めることが大切。
私の研究室では、都市にある建築、つまり「都市建築」について、その歴史や設計手法を研究しています。建築という学問はさまざまな切り口があり、宗安さんの研究は、写真を撮ることが好きという自分の興味関心を生かした、独創的で素晴らしい研究だと思います。
建築学科 野村 正晴 准教授
- ※この学びのスタイルは2023年度のものです。
学びのキーワード
【空間デザイン】
【建築構造】
【住環境】
取得できる資格
所定単位を修得すると資格を取得できるもの
高等学校教諭一種免許状〔工業〕、司書、司書教諭、学芸員
卒業時に受験資格が得られるもの
甲種消防設備士
所定単位を修得すると受験資格が得られるもの
一級建築士
二級建築士
木造建築士
一定の実務経験を積むと受験資格が得られるもの
建築施工管理技士
土木施工管理技士
造園施工管理技士
コンクリート診断士(講習を受講することが必要)